Annals of the Entomological Society of America, 111:6-12
イソウロウタマバチ族(Synergini)内で唯一虫えい形成者であることが実験的に確かめられているSynergus itoensisの系統学的位置を核およびミトコンドリアDNAの部分塩基配列に基づく系統解析によって明らかにした。その結果、虫えい形成能力を有するS.
itoensisは、虫えいを形成せず他者の虫えいに寄生する同居蜂から進化したことが示唆された。また、クヌギ、ウバメガシの堅果内に形成された虫えいから脱出したSynergusの2種がS. itoensisと単系統となったことから、これらの種も虫えい形成能力を有している可能性が示された。