Proceedings of the Entomological Society of Washington 117: 467–480
Dryocosmus属(タマバチ科:ナラタマバチ族)としてアジアで初めて、クヌギ節を寄主とする未記載種1種を発見し、Dryocosmus
kunugiphagusとして記載した。本種はかなり以前からその存在が知られていた種であるが、誤同定や両性世代と単性世代が別種として扱われてきたという背景から、分類が大きく混乱していた。本研究によって、両性世代および単性世代成虫の形態、虫こぶの形状、世代交番の実態を明らかにしたことで、その正体が解明された。Dryocosmus属はクリの重要害虫クリタマバチを含む等、応用的にも重要な属として知られる。両性世代のゴールはクヌギワカメマルズイフシ、単性世代のゴールはクヌギエダタマフシ。